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はい。
今日の曲に入る前に・・・。
この歌曲集を半分載せてきましたが、だいぶ話がわかってきたんじゃないかと思います。
そこで、更にこの曲集についての事を書きたいと思います。
この「美しき水車小屋の娘」は、別名「粉挽き歌曲」とも呼ばれています。
歴史的な事になりますが・・・
中世以来のドイツでは、手工業者は厳密な職階制の中に組み込まれていて、手に職をつけたいと思った若者は、まず親方に弟子入りし、数年間無給で働かなければなりませんでした。
何年か経って年季が明けると「職人」と呼ばれるようになって、今度は各地の親方の仕事場を旅して回り、さらに腕を磨くことが義務となります。
修業の旅の間にどこかの親方の元で試験を受けて、認められると同業組合に入り、晴れて一人前の「親方」となります。
その際、親方の娘と結婚しておけば、仕事場も譲り受ける事が出来るわけで、修業の旅は同時におかみさん捜しの旅でもありました。
この歌曲集で歌われているのは、このような同業組合の一つ、水車を用いて小麦粉を挽く若い職人の世界です。
水車を用いているからこそ、小川が仕事と切り離せず、小川をたどって水車小屋を捜し、小川を友として旅することになります。
なので、この歌曲集は「粉挽き歌曲」とも呼ばれているわけです。
振り返ってみると、第1曲「さすらい」では、実家ではなく、旅をしているときに見つけて修業をしていた親方さんの元を離れて、新たな親方の元へ弟子入りする為に旅立つ時の詩(うた)です。
そして第2曲「どこへ?」では、前述したように、小川をたどって水車小屋を捜している時の詩なのです。
こうして見つけた水車小屋で出会った親方さんの娘に恋をして、若者は悩みながらいろいろやっている、というのが今までの流れでした。
今日は第11曲「僕のもの!」です。
これはどういう意味なんでしょうか・・・。
小川よ、そのせせらぎの音を止めてくれ
水車よ、ゴウゴウと音を立てるのを止めてくれ!
森の陽気なすべての小鳥たちよ、
大きいのも小さいのも、おまえたちのさえずりを終わらせてくれ!
森の中でも
森の外でも
今日はただ一つの詩だけを鳴り響かせるのだ
「あの愛する水車小屋の娘は僕のものだ!」と。
僕のものだ!
春よ、これでおまえの花は全部なのか?
太陽よ、おまえはもっと明るく輝けないのか?
ああ!それなら僕は独りぼっちだ。
「僕のものだ」というこの幸せな言葉を抱いて、
広い世界で誰にも分かってもらえずにいなければならない!
今回は短い内容でしたが、これはどんな意味なのかわかりましたか?
そう、若者はついに彼女の心をつかみました!!
喜びの詩ですね。
前述したように、結婚までいければ仕事場もあるし、好きな人とラブラブ出来るので最高です(*´∀`*)w
さぁ、これからどうなるのでしょうか。。。