[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
はい。
この曲集も今日で最後となりました。
第20曲「小川の子守歌」です。
前回までは、失恋の悲しみから自殺を決意した若者でした。
おやすみ、おやすみ!
目を閉じて!
旅人よ、あなたは疲れ、家に帰って来ました。
誠実がここにはあります。
わたしのもとで横たわりなさい、
海が小川を飲み尽くすまで。
あなたを涼しく寝かせましょう、
柔らかい寝床の上で、
青い澄み切った小部屋の中で。
こちらへ、こちらへ、
揺れるものよ、
わたしのもとでこの子を揺らして眠らしておくれ。
狩りの角笛が
緑の森から鳴り響いたら
わたしはあなたの周りでざわめき、うなりを上げましょう。
覗き込まないで、
青い花々よ!
わたしのもとで眠る者の夢を重苦しくしてまうから。
去りなさい、去りなさい、
水車小屋の小橋から、
悪い娘よ、この子をおまえの影が起こさないように!
わたしに投げ込むのです、
おまえのハンカチをそっと、
わたしがこの子の眼をしっかりと覆えるように!
おやすみなさい、おやすみなさい!
すべてが目覚めるその時まで、
喜びから眠りについて、苦しみから眠りについて!
満月が昇り、
霧が晴れると、
上には空が、何て広々としてることでしょう!
前曲で「その川底に、冷たい安らぎが!」とあるのと、この詩の内容から、若者は川に身を投げたのだとわかります。
でも何故川に身を投げたのか・・・
やはり、小川はこの職人にとっては大切な友であり、そこに帰るという意味でもそうしたんではないでしょうか。
この詩は若者が亡くなった後の小川の歌ですが、ここには今まで若者を苦しめてきたもの・・・
狩人、彼女、緑、花から守ってあげるというなんとも優しい気持ちがあります。
今日でこの連作歌曲集「美しき水車小屋の娘」は終わりですが、ここまで読んでくださってありがとうございました。
皆さんはこの「青春物語」にどんな感想を持ちましたか?
自分は、この詩集にはいろんな意味が含まれていると思います。
明日からはまた普通の日記になるんで、よろしくです(*´∀`*)
はい。
続いて今日は第19曲目「水車職人と小川」を載せます。
前回まででポイントだった「僕の墓」ですが、これは若者は自殺を決意した事を意味します。
この詩は、その若者が自殺を図る前の小川との対話です。
(水車職人)
ある誠実な心が
愛に消えると、
百合の花はしおれてしまう、
あらゆる花壇で。
また雲の中へと
満月も入っていくはず。
その涙を
誰かが見てしまわないように。
そして天使たちも
目を閉じて、
すすり泣き、歌って
魂に安らぎを与えてくれるんだ。
(小川)
そして愛が
苦しみから解放されれば、
星が、新しい星が
天に輝きます。
その時には三つのバラが咲き出でます、
半ば紅く、半ば白い、
もはや枯れることのないバラが、
いばらの枝の中から。
そして天使たちも
その翼を切り落として、
あらゆる朝に
地上へと降りて来るのです。
(水車職人)
ああ、小川よ、愛する小川よ、
おまえはそんなにも親身に考えてくれる
ああ、小川よ、知っているのか?
愛が何をするのかを。
ああ、底に、その川底に
冷たい安らぎが!
ああ、小川よ、愛する小川よ、
そうやってただひたむきに歌っておくれ。
最後の段落で「その川底に、冷たい安らぎが!」とあるので、自殺は決定的です。
過去の詩でも書いたように、小川は、若者にとって一番の友でした。
その小川の優しい言葉に、若者は最期に感動するのでした。
さて、久々に動画を貼りたいと思います。
というのも、この詩につけられたシューベルトの音楽があまりに美しいので、この曲集の中でも単独で取り上げられて演奏されるくらい有名な曲なんです(^<^)
まずはオリジナルの、テノールとピアノ伴奏による演奏。
テノールはイアン・ボストリッジ、ピアノは内田光子。
二人とも世界トップレベルの人なんで、これは奇跡の共演です!!
対訳付なので、詩を読みながら音楽を聴いてみてください。
http://youtu.be/M6bCPitAq4s
続いて、最初の方でも紹介した、リストによるピアノ独奏用編曲の演奏。
リストは最後に、水車職人の歌をもう一度付け加えているので、この編曲版はオリジナルより少し長いです。
ピアノは、リストのピアノ曲全曲録音という偉業を成し遂げた、レスリー・ハワード。
前述したように、この曲は単独で演奏される機会が多く、録音もたくさんされているので、検索すればいろんな人の演奏が聴けれます。
今回は無難な演奏を選びましたw
http://youtu.be/TNgimSqBbCQ
他のリスト編曲でもそうですが、歌と伴奏を一人で演奏しなければならないので、そこを上手く表現して演奏するのが難しいのですが、でもこうして独奏用にするアレンジの発想力が凄いし、リストはちゃんとこの詩集の物語、情景を考慮してアレンジしているので、その才能には脱帽。
リストというと「ヴィルトゥオーゾ(芸達者)」といって、超絶技巧を散りばめた曲を書いてるイメージがあり、演奏も困難だったりしますが、シューベルトや他の人の歌曲編曲では、あくまでオリジナルを尊重しているので、純粋に作られています。
なので、リストが他に行った、例えばリストの発想をふんだんに取り入れた、超絶技巧が必要なオペラのピアノ編曲等とは違います。
リストはこの「美しき水車小屋の娘」から6曲をピアノ編曲しているので、興味がある人は聴いてみてください。
リスト編曲の説明が長くなっちゃいましたが、この曲集も次回で最後です。
次回は第20曲「小川の子守歌」です。
はい。
今日は2曲載せます。
まずは第18曲目「枯れた花」です。
おまえたち花はみんな、
彼女が僕にくれた花。
入れてもらおう、
一緒に僕の墓の中へ。
何とおまえたちはみんな、
悲しそうに僕を見るんだ?
まるで僕に起ったことを
知っているようじゃないか?
おまえたち花はみんな、
何としぼんで、何と色褪せてしまっているんだ?
おまえたち花はみんな、
何故そんなに濡れてしまっているんだ?
ああ、涙は
五月の緑を育てはしない
死んでしまった愛を
再び花咲かせはしない。
それでも春はやって来て、
冬は去って行くだろう、
そして花が
草の中に育つだろう。
僕の墓の中に
置かれている花々、
その花々はみんな、
彼女が僕にくれた花だ。
そして彼女が
この丘に通りかかった時、
心の中で想ってくれたなら、
「あの人は誠実だった」と!
その時にはすべての花々よ、
咲き出せ、咲き出せ!
五月が来たんだ、
冬が去ったんだ。
若者にあるものはすべて、嫌な思い出のものとなってしまいました。
ここでのポイントは、前曲から出てきている「僕の墓」です。
何を意味しているかわかりますか?
ではこのまま別の記事ですが、次の第19曲目「水車職人と小川」を載せます。
今日は第17曲「嫌な色」です。
昨日の「好きな色」から、若者の中でいろいろな思いが複雑に入り混じっている、苦しい場面が続きます。
僕は世界へ出て行きたい、
広い世界へ。
ただ緑色で、こんなに緑色でさえなかったら、
外の森と野が!
僕は緑の葉を全部
あらゆる枝から摘んでしまいたい。
僕は緑の草を全部
涙で死んだように青ざめさせたい。
ああ緑色よ、嫌な色よ、
どうしていつも僕を見つめるんだ、
そんなに誇らしげに、図々しく、意地悪に、
この哀れな真っ白な僕を?
僕は彼女の戸の前で横になりたい、
嵐や雨や雪の時にも
そして昼も夜も小さな声で歌いたい、
一つの言葉、さよならを!
ほら、森の中で狩りの角笛が響くと、
彼女の部屋の窓が音をたてて開く
彼女は外の僕を見もしないけど、
僕は中を覗き込めるんだ。
おお、君の額から
その緑の、緑のリボンをはずしておくれ。
さよなら、さよなら、そして手を差しのばして
お別れの握手をしておくれ!
彼女が、そして自分自身も大好きだった緑色も、今は苦しみを与えるものになってしまいました。
角笛が鳴ると彼女の窓が開くとあるので、やはり狩人のことが好きみたいですね。
ただ、若者が言いたいのは怒りや悲しみではなく、「さよなら」です。
「さよなら」はいろんな意味がありますが、これから若者はどうするのでしょうか・・・。
次回は第18曲「枯れた花」です。
>>子供会会長
教祖様のお叱りを受けてもらいます(*´∀`*)www
今日は第16曲「好きな色」です。
一時は彼女の心を掴んだ若者でしたが、彼女は狩人の事を好きになってしまいました。
緑色の服を着よう、
しだれ柳の緑の服を。
僕の恋人は緑がとっても好きなんだ。
糸杉の森を探そう、
緑のローズマリーの野を。
僕の恋人は緑がとっても好きなんだ。
さあ、楽しい狩りに出かけよう!
野原と牧場を通って行こう!
僕の恋人は狩りがとっても好きなんだ。
僕が狩る獲物、それは死だ、
荒野は僕には愛の苦しみの場だ。
僕の恋人は狩りがとっても好きなんだ。
草地に僕の墓を掘ってくれ、
緑の芝で僕を覆ってくれ。
僕の恋人は緑がとっても好きなんだ。
黒い小さな十字架も、きれいな花もいらない、
緑に、いたるところ全て緑に!
僕の恋人は緑がとっても好きなんだ。
緑は、彼女が好きな色でした。
凄く複雑ですね。。。
ちなみにシューベルトは、この詩に暗い音楽をつけました。
そして次の17曲目「嫌な色」には、明るい音楽をつけました。
こうすることで、若者の複雑な気持ちを表現しています。
次回は第17曲「嫌な色」です。
>>子供会会長
オレのセリフ取ったな~!
お仕置きザマス!!!('∀`)